『あんた気持ち悪いのよ!!あんたなんて産まなければよかった!』
この言葉が離れない。
いや、ずっときこえてくる。
何も言ってなくても顔が…体全体が僕を拒んでいる。
産まれてから…いや、あの能力が分かってから…――――
ずっと両親は口癖のように言ってきた。
そんな僕にも味方がいた。
兄の大地だった。
兄だけは僕の能力を知っても、
普通に接してくれた。
優しくしてくれた…
『たった一人の弟だからな!』
…と、頭を撫でてくれた。
僕はその言葉に何度救われただろう。
その行動にどれほど嬉しさを感じただろう。
きっと兄がいたからここまで生きられた。
兄の心は澄んでいてとても綺麗だった。
本心からの言葉だった。
こんな人になりたかった。