ティアがようやく歩き始めた。

まだ覚束ないが、一歩づつ確かに歩いている。

可愛らしい小さな歯も並び始めている。

動物たちと遊ばせると、動物たちからティアに触れようとする。

ティアには動物たちに好かれる何かがあるようだ。

今日は白狼の変わりに見たことの無い、白い大鹿が現れた。見事の角の牡鹿でティアに近づいてきた。

ティアに頭を垂れるように近づいて、頬に軽く触れて離れて行った。

ティアの方は嫌がるでも怖がるでもなく、牡鹿を見ていた。