「メアド知らないんだったら、ラブレター書いちゃえば?」

この子は急に何を言うのかと思った。
一瞬だけ、思考回路が止まった。


「……何を言ってるのか、わかってますか?」
「わかってます!!だから、言ってるんじゃない。よく話すんだしさ…ね?」
「いやいや…“ね?”って言われても説得力ないし。」
「うーん…いい方法だと思ったんだけどなぁ。」



そして、授業中。
そのことが頭の中でぐるぐると巡ってて、無意識に、だけど覚悟を決めてノートの切れ端に、小さく書いた。


『好きです。』


小さなラブレターの完成。