歌姫はギタリストに恋をする゚*。

「え、本当!?」

「うん…なんとかすり抜けたけど。今も病院の前とか、お前が今まで泊まってたホテルなんかに、マスコミ殺到してるらしい」

「やっぱり…」

「今んとこ、ここにはマスコミ来てねえな」

「うん。しばらく帰ってなかったし…まだバレてないと思う」

「まあ、表とかに俺とお前のスタッフが見張ってっから、大丈夫だろ」

「うん…マッスーも今日は外に出ないことを条件に休みをくれたの。その代わり、なにか用事があるならなんでも言ってくれって」

「マネージャーは大変だな」



慶はそう言って、ポケットからタバコを出した。







「あー!」

「なんだよ?」

「タバコ!」



慶の手にあるタバコを指差す私。






「タバコがなに?」

「病み上がりのくせに、タバコ吸ってるーー!」

「は?」


タバコを口にくわえ、ライターを探している慶。





「いいだろ。俺…1年以上、禁煙したんだぞ」

「これを機に、タバコやめちゃえば?」

「無理」


ライターをみつけ、慶はタバコに火をつけた。