歌姫はギタリストに恋をする゚*。

「痛――」

「散々心配かけて!あんたは………もう!」


沙知絵さんは慶の頭をひっぱたいたあと、ポロポロと涙を流した。






「慶…心配したよ」

「もう、こうやって話すことなんてないかもって…思っ・・・」


力ない声で言う、旦那さんの浩司さんと…泣きながら声を出す沙知絵さん。



無理もないよね…




ちらっと慶を見ると、慶は今の状況があまり理解できない様子…


私たちにとっては、久しぶりに会う慶でも・・

慶にとっては、昨日会った感覚のままなんだ……


慶は知らない“空白”の半年間…


これからどう受け止めていくんだろう…



私はそう思いながら、眠そうにあくびをする慶を見つめていた。










「じゃあ…俺たちは帰るよ。また明日来るから」

「僕も失礼するよ」




しばらくすると、健二たちとマッスーが帰るしたくをし始める。





私も帰らなきゃ…

明日も仕事があるし…でも・・・・



帰りたくないな・・