「………よぉ」


!!

ドアを開けると…慶はベッドの上で、体を起こして雑誌を読んでいた。




「…慶・・」


ドアをそっと閉め、サングラスを外し慶に駆け寄る私…


涙腺が緩んだ…

でも我慢した。

会うたびに泣いてばかりじゃ、慶もいい加減ウンザリだよね…




「…体・・起こせるようになったんだ…」

「ああ。こんくらいもう余裕」

「そっか…」


慶…最後に会った時より元気になってる…

顔色もいいし…

会話もしっかりしてる…




「…あれひとり?沙知絵さんは…?」


病室には慶一人。

てっきり沙知絵さんがいると思ってたのに…





「…お前が来るから追い出した……」

「え、そうなの(汗)かわいそうに…」


そう言いながら、病室をキョロキョロする。




「この部屋…前の部屋より広いねえ。キッチンもあるじゃん」

「シャワー室もある」

「そうなのー?どれどれ?」




シャワー室を覗こうとした時…慶が私の腕を引っ張った。

そして自分の方に引き寄せ、私をぎゅっと抱きしめる。