そんなことを想いながら二人を見つめていると、二人は今にも泣きそうな顔をしている。



私の目も、涙で滲んだ。

私はすかさず、かぶっていた帽子とサングラスを外して…





「ありがとう」


そう言って、その二人に渡して車に乗り込んだ。



後ろからは二人が泣き叫ぶ声と、他のファンの子達の声援と、ブーイングのような悲鳴が聞こえる。




頑張ろう。


心からそう思った。




生涯、歌を歌い続けよう。


そう、

心に誓った。