歌姫はギタリストに恋をする゚*。

そわそわ


さっきからじっとしていられない。

でもじっとしてないと、メイクができない。

だからいやに顔が怖くなり、貧乏揺すりが増える。





コンコン


「メイクできたら行くよー。sAra. ちゃんの気合い入れで、スタンバイ場所に向かいますー」



慌ただしくスタッフが楽屋に入ってくる。

私は亜季ちゃんにメイクの仕上げをしてもらい、おろしている腰を上げた。


そして衣装を鏡で確認し、ゆっくりと楽屋の外にでる。

廊下には、ダンサー、バンドメンバー、スタッフ…

そして、慶の姿があった。


私はみんなの中心に立ち、一呼吸したあと口を開く。




「毎年毎年…一年間があっという間。ツアーが終わると、カウントダウンライブがあるし。年が明ければ、またツアーが始まる…毎日ドタバタだけど・・私にとっては毎日が宝物…」


静かめに話す私に、みんなは真剣な顔をして聞いてくれている。

私は続けた。