気持ちを切り替えて、楽屋のドアを開けると…

スタッフ全員、ダンスメンバーとバンドメンバー


中央には美咲さまと、ニヤニヤしている慶が立っていた。

私は状況がのみ込めないまま、楽屋のドアノブを握っている状態。




「いやあ…五十嵐くん、これはやり過ぎだったんじゃない?」

「さすがにかわいそうだよ」


スタッフたちが、慶に苦笑いをしながら言う。




なに?

なんなの?




「ごめんね!ずっと演技してたんだ!」





私に抱きついている美咲さまが、申し訳なさそうな口調で言った。





「演技…?」


…って、なにが?