「・・・・」

「・・・・」



カタ…


病室は、しーんと静まり返っている。

聞こえるのは、先生の診察している音だけ…







私は木ノ下 彩良(きのした さら)21歳

職業は歌手。

日本でも有名な事務所に所属していて、一応そこの看板アーティストです。





「…はい、息をゆっくりと吸って」


先生に指示され、息を吸うのは…



私の彼。

名前は五十嵐 慶(いがらし けい)23歳

職業はギタリスト。


彼は半年ほど前事故に遭い、ずっと意識を失ったまま眠っていたが(※詳しくは㊦巻を)

いつ数分前…私の目の前で目を覚また。

今は病室に先生が来ていて、慶の体を診察している所。





「はい、いいですよ」


先生がそう言うと、慶は開いている胸をしまった。






「先生…どうですか?」


慶の近くで、不安げな表情をしながら聞く私。





「今の所問題はないです。ただちゃんとした検査をした方がいいですね。脳がちゃんと機能しているかとか…」

「…そうですね」

「明日早速検査して、調べてみましょうね。今日はなるべく安静にしていてください」

「わかりました…」