そして、今に至る。



私は行きたい大学も受かって、奨学金等を利用して通えることになり、
バイトも受かって、掛け持ちで働くことになった。


これから、自由に生きられる。

誰に許可をもらわずとも、好きに生きることができるんだってことが、私は堪らなく嬉しかった。













「まぁ…、基本生活は変わってないんだけどね」


am2:00。
居酒屋の仕事終わり。

ユニフォームから私服に着替えながら、私は一人ボヤいた。
そしてそれと同時に出てくる欠伸を噛み殺し、着替え終わるとバックを手に取り更衣室を出て足早にキッチンから裏口へ回る。




「お先に上がります」

「瑠花ちゃんお疲れ様、気を付けるんだよ」



ホールの方からヒョッコリと顔をだし、30代半ばになる店長が私に手を降った。



「はい、お疲れ様でした」


私はそこまで言って頭を下げると、裏口から店を出て
自宅に向かって歩き始めた。