「るなーっ待ってよーっ」 永遠に続いていきそうな階段を上りながら、私は踊場で立ち止まった。 昼休み。 私たち合唱団は給食を食べ終わったらすぐ、教室を飛び出すのが当たり前。 正式に入っている部活が合唱部じゃない私たちは、練習時間は昼休みくらいしかない。 しかも、今日は特別。 「智那はやくー! 新人さんたち、もう来ちゃうよー」 階段の上から、るなが私を見下ろして言う。 今日は、新しく入団した人たちが初めて練習に参加する日。