「――りんごが大好きなんでしょ」 「は?」 「奏太の好きな食べ物はりんご! 好きな教科は音楽! 小さい頃からピアノ習ってて、絶対音感持ち!」 クラスのみんなが、この奇妙なやりとりを凝視している。 怜なんて、目をきらきらさせて私たちを見つめていた。 「奏太のことは――誰よりも知ってるんだから!」 そうだ。 自分に自信を持て、自分。 久しぶりすぎて奏太がボケているだけで、私はちゃんと覚えてるんだから。