一瞬で髪の色が変わるなんて……そんなの、魔法でも聞いた試しが一度もない。


『―――っと』


私はハッと正気を取り戻すと、ブンブンと首を横に振った。


それは、後で考えればいい。


今は、錯乱状態のクロアの落ち着きを取り戻し、私達の暗殺を中止してもらわねば――…


そう、思うのに――…


突然ぐらりと揺れる世界。


地面へと体が投げ出される。


急速に黒く染まる視界に、私は漠然とした不安を覚えた。