食堂へ向かう途中、
屋上の階段で、鈴と茉莉ちゃんを見かけた。
「鈴が…泣いてる?」
そう思った時、
『鈴は、涼太以外愛せない。涼太だけなの』
鈴が、泣きながら叫んだ。

俺は、鈴を支えらんないのか?
俺じゃ、駄目か?

涼太って誰だよ。
あームシャクシャする
茉莉ちゃんに聞くか。

メールで茉莉ちゃんを呼び出した。

「先輩?」
「茉莉ちゃん、鈴ちゃん泣いてるの?」
「…はい。」
「なんで?」
「鈴、大好きな彼氏を交通事故で…」
「鈴ちゃんの彼氏?」
「鈴の、幼なじみです。」
「山内 涼太ヤマウチ リョウタっていうんですけど」
「うん。」
「涼太くんと、鈴が
付き合いはじめたのは、中1の夏でした。
鈴が夏祭りに涼太くんを誘って、
それで、鈴から告白したんです。
それから、二人は、ずっと一緒で、
結婚の約束までしてたらしいんですが、
涼太くんが鈴を遊園地に誘って
待ち合わせしてたら…信号無視のトラックに…
それから、鈴は、
恋と男を嫌いになりました。」
「そうだったんだ。
僕じゃ、支えらんないかな?」
「先輩がですか?」