あたしは、修太くんの目をまっすぐ見て言った。

「...ありがとう。」

小さな声だったけど、あたしにははっきり聞こえたよ。

修太くんは、小さく笑った。

優しい修太くんが良い。

優しくて、大人っぽくて。

クールに決めちゃってるとこも。

小さい子供みたいに笑うとこも。

全部ひっくるめて、修太くん。

よかったぁー。

立ち直ってくれて。

ん?

あたし、今、何か変なこと言わなかった?

あれ?

ドクン

また変だ。

心臓が飛び跳ねてるカンジ。

やっぱり風邪かな?




あたしは自分の気持ちを分かってなかった。

恋を知らないあたしは、何もわかっていなかった。