私はそうやって過去を懐かしみながら、桜の木の下まで歩いてきた。


そして、そっと木の幹に手をやる。


この木は、ずっと私のことを見ていてくれた。



どんなに気分が沈んでいても、こうやって桜の木に手を当てるだけでまた立ち直れた。


頑張ろうと思えたし、勇気も希望も持つことが出来た。



そう思うと、自然と笑みが零れてくる。





ーーーその時だった。