その日はイライラムカムカしたままで、そんな不機嫌な俺に 誰も近づいて来なかった。


帰りもまだムスッとしているとずっと触れて来なかった2人が大きなため息をはいた。


「和哉、話してみろ。」

「そうそう、何があった?」


心配してくれてるんだよな…。

はぁ──ため息ついて肩の力をぬいた。


「悪ぃ…、自分自身にいらついてた。」


そうだ、嫉妬だけじゃない……なかなか踏み出せない自分にいらついてるんだ。


「お前、女できたろ?」
啓志がニヤニヤ笑っている。


「彼女できたの?」

岳もニヤニヤ。


……ばれた。


「だって携帯よく見てるし? 毎朝早いし? 電車の時間変えたし?」
啓志の奴……すげぇ


「なになに? 携帯? 見せて見せて~。」

岳が俺の携帯を取ろうとするのを慌てて遮る。