「お前、朝傘持ってってたじゃん。なんで濡れてんだよ」 「貸しちゃったんだもん」 「はぁ? どんだけお人好しなんだ、お前」 「……別に」 「……電話したら、迎えにぐらい行ってやるっつの」 ……え?? あたしはバッと萩野の方を見る。 萩野はさっきと同じようにソファに座っている。 耳を真っ赤にして。 「ぷっ」 あたしは、萩野に気づかれないように、小さく吹き出した。 このとき、ほんの少しだけ、 ドキってしたのは……気のせい、だよね。