そこにはファリアと思われる少女がいた。ショートカットの髪で気の強そうな瞳は、少年と見紛うかのような凛々しさである。
「毘沙門天ティージェ……か。久しぶりだ」
「ファリアなのか……? 何故こんなことをする?」
「何故……?」
ファリアらしき少女はニヤリと笑った。背筋に悪寒が走る。
「お前……!」
「わたしは……ヴァジュラ様のため……お前たちを殺す」
虚ろな瞳。
一目で操られていることが分かった。
少女の両手に二本の細い剣が握られる。その剣は間違いなくファリアのものだった。
それに、さっきのビー玉のような玉は、摩利支天にしか操れない幻惑の玉、〝夢幻球”。確かに本物のファリアだ。しかし。
「ファリアっ」
成す術もなく、少女の攻撃は始まる。素早い動きで聖までの間合いを詰めると、二本の剣を突き立てた。
普通ならば目に留めるのがやっとのスピードだった。だが、それ動きをかわす事が出来た。かわせた自分に思わず驚く。
「貴様っ……すでに覚醒しているのか!?」
「そんなこと知るかよ!」
何とか攻撃をかわし、返事を返す。
さっきティージェの名を呼んだことで覚醒したのだろうか。分からないが、自分の運動能力をはるかに超える動きが出来ているのは事実だ。
「毘沙門天ティージェ……か。久しぶりだ」
「ファリアなのか……? 何故こんなことをする?」
「何故……?」
ファリアらしき少女はニヤリと笑った。背筋に悪寒が走る。
「お前……!」
「わたしは……ヴァジュラ様のため……お前たちを殺す」
虚ろな瞳。
一目で操られていることが分かった。
少女の両手に二本の細い剣が握られる。その剣は間違いなくファリアのものだった。
それに、さっきのビー玉のような玉は、摩利支天にしか操れない幻惑の玉、〝夢幻球”。確かに本物のファリアだ。しかし。
「ファリアっ」
成す術もなく、少女の攻撃は始まる。素早い動きで聖までの間合いを詰めると、二本の剣を突き立てた。
普通ならば目に留めるのがやっとのスピードだった。だが、それ動きをかわす事が出来た。かわせた自分に思わず驚く。
「貴様っ……すでに覚醒しているのか!?」
「そんなこと知るかよ!」
何とか攻撃をかわし、返事を返す。
さっきティージェの名を呼んだことで覚醒したのだろうか。分からないが、自分の運動能力をはるかに超える動きが出来ているのは事実だ。


