これは偶然だろうか。この世界とは明らかに違う世界を、同じように夢に見る者たち。最初は面白半分だったが……ただ事ではなくなってきたような感じがする。
「蒼馬は……ラディウスか?」
真吏が訊くと、蓮は頷いた。
「うん、そう言ってた。じゃあ……真吏は、シーファー?」
「ああ」
「紅葉は……」
「アナリスよ。聖はティージェ」
「成る程……」
真吏は乗り出していた身を椅子の背凭れに預けた。
「同じ夢を見ているのは、皆、あそこにいた者たちか」
天に黒く渦巻く邪悪な者──。それを近づけまいと戦い、散っていった7人の者たち。そのうちの5人までもが見つかり、一様に同じ夢を見ているという。
「何かが起きようとしているのかしら……」
紅葉は少し不安げだ。
「……そんなに変かな?」
何の疑問も持っていないのか、蓮はきょとんとして言う。
「変よ。あたしたちはまったくの他人だったのよ。ついこの間まで顔も知らなかったのに、何かなければ同じ夢なんて見ないわ」
「あ……そっか……」
「ついでに言うが…」
真吏が口を挟む。
「私たちが見ている夢で、名前の他に呼び名があるのを知っているか?」
その質問に紅葉は首を振った。しかし蓮は大きく頷く。
「蒼馬は……ラディウスか?」
真吏が訊くと、蓮は頷いた。
「うん、そう言ってた。じゃあ……真吏は、シーファー?」
「ああ」
「紅葉は……」
「アナリスよ。聖はティージェ」
「成る程……」
真吏は乗り出していた身を椅子の背凭れに預けた。
「同じ夢を見ているのは、皆、あそこにいた者たちか」
天に黒く渦巻く邪悪な者──。それを近づけまいと戦い、散っていった7人の者たち。そのうちの5人までもが見つかり、一様に同じ夢を見ているという。
「何かが起きようとしているのかしら……」
紅葉は少し不安げだ。
「……そんなに変かな?」
何の疑問も持っていないのか、蓮はきょとんとして言う。
「変よ。あたしたちはまったくの他人だったのよ。ついこの間まで顔も知らなかったのに、何かなければ同じ夢なんて見ないわ」
「あ……そっか……」
「ついでに言うが…」
真吏が口を挟む。
「私たちが見ている夢で、名前の他に呼び名があるのを知っているか?」
その質問に紅葉は首を振った。しかし蓮は大きく頷く。


