体に何かまとわりついている。反射的に手を動かすと、湿った柔らかい布が絡み付いてきた。
更にもがくとますます布が絡まって身動きがとれなくなり、引っくり返った。
(なんだ、これっ)
もがいていると、スポッと頭だけ抜けた。良く見ると、絡み付いていたのは洗い晒しの真っ白なシーツだった。
「ごめんなさいっ、大丈夫ですかっ!?」
白い家の方角から少女が一人、駆けてくる。少女は聖の姿を確認すると、慌てた様子で頭を下げた。
「すみませんすみません、お怪我ありませんか?」
「いや、大丈夫だけど……」
突然の突風に飛んできたシーツ。駆け寄ってきた少女。何となく状況が掴めたので、聖はシーツを少女に渡した。
「ごめん、汚しちゃった」
白いシーツは草と土がつき、汚れてしまっている。転んで汚してしまったのは自分なので、一応、持ち主であろう少女に謝まった。
「いえ、そんなものは気になさらないでください。本当にすみません」
少女は何度も頭を下げて謝ってくる。丁寧な言葉遣いが、良家のお嬢様だと思わせた。
「ああっ、血が……」
「え?」
そう言われて、左手の甲から血が出ているのに気付く。
昨日蒼馬に殴られた時にぶつけて出来た傷が、今ので開いてしまったらしい。
更にもがくとますます布が絡まって身動きがとれなくなり、引っくり返った。
(なんだ、これっ)
もがいていると、スポッと頭だけ抜けた。良く見ると、絡み付いていたのは洗い晒しの真っ白なシーツだった。
「ごめんなさいっ、大丈夫ですかっ!?」
白い家の方角から少女が一人、駆けてくる。少女は聖の姿を確認すると、慌てた様子で頭を下げた。
「すみませんすみません、お怪我ありませんか?」
「いや、大丈夫だけど……」
突然の突風に飛んできたシーツ。駆け寄ってきた少女。何となく状況が掴めたので、聖はシーツを少女に渡した。
「ごめん、汚しちゃった」
白いシーツは草と土がつき、汚れてしまっている。転んで汚してしまったのは自分なので、一応、持ち主であろう少女に謝まった。
「いえ、そんなものは気になさらないでください。本当にすみません」
少女は何度も頭を下げて謝ってくる。丁寧な言葉遣いが、良家のお嬢様だと思わせた。
「ああっ、血が……」
「え?」
そう言われて、左手の甲から血が出ているのに気付く。
昨日蒼馬に殴られた時にぶつけて出来た傷が、今ので開いてしまったらしい。


