FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1

真吏は紅葉に視線を投げた。しかし紅葉は首を振る。

「分からないわ。気になって“力”で視てみたことはあるけれど、原因は分からなかった。……それが三人も?」
 
三人は無言で視線を交わす。

「不思議なこともあるものだ……」
 
真吏は独り言のように呟いた。
 
聖はふと、その夢の結末が気になり、

「それ、最後どうなったのか、分かる?」
 
と訊いてみた。

「私が知っているのは、私の意識が入っている男が死ぬものだ。それ以上は分からん」
 
と真吏。

「あたしはね……。死んだ時、傍に二人、いたわ。確か、ティージェって人とラクシュミーって人が。……あれ?」
 
紅葉はまじまじと聖を眺めた。

「そういえば聖って……そうか、初めて逢った気がしないと思ったら、雰囲気がティージェって人に似てたんだわ」
 
それから紅葉は真吏に目をやる。

「貴方は……シーファーね?」
 
真吏は頷く。

「紅葉殿は、アナリスとお見受けするが」

「そうみたいよ。夢でそう呼ばれてたから。へえ、なんだろ。前世とか、そういうのかしらね?」
 
前世。
 
あれが、昔本当にあった出来事だとしたら。
 
だから、あんなにリアルに恐ろしいものだと感じたのだろうか。