まさか……と、最悪の結果を予想した。だが返ってきた答えは。
「天界に送り返してきた。まったく! 全員が無事だと知った途端、吉祥天に手を出そうとする不埒者めが!
あんな戦いの後だと言うのに仮にも“神”人間に手を出すなど言語道断! あの恥知らずが! 天帝にみっちり説教されるがいい!!」
阿修羅王は頭に角が見えそうなくらいの怒りようだった。
「……」
聖は無言で李苑に視線を投げた。
それに気付き、李苑は曖昧に微笑んだ。……どうやら事実のようだ。
(あの馬鹿は……)
少しでもジャクラの身を案じたことを後悔する。
「……阿修羅王達は、どうするんだ?」
天を捨ててきた、と言っていた2人に、問いかける。
「私達は一度天を捨てた身。もう天界へは戻らん」
「“阿修羅王”と“夜叉王”がいなくなれば……」
「心配ない。“阿修羅”を継ぐべき者は遺して来た」
穏やかに阿修羅王は言う。
夜叉王も同じく、穏やかな顔で頷く。
「だから私達はもう“王”ではない。唯人として、これからのお前たちの行く末を見守ろう」
「阿修羅王…」
「お前たちが生まれ変わり……また天に還る時が来たら、新たな“阿修羅王”と“夜叉王”を頼むな」
「……分かった」
聖が頷くと、2人はくるりと背を向けた。
「ではな。またいつか、会おう」
「天界に送り返してきた。まったく! 全員が無事だと知った途端、吉祥天に手を出そうとする不埒者めが!
あんな戦いの後だと言うのに仮にも“神”人間に手を出すなど言語道断! あの恥知らずが! 天帝にみっちり説教されるがいい!!」
阿修羅王は頭に角が見えそうなくらいの怒りようだった。
「……」
聖は無言で李苑に視線を投げた。
それに気付き、李苑は曖昧に微笑んだ。……どうやら事実のようだ。
(あの馬鹿は……)
少しでもジャクラの身を案じたことを後悔する。
「……阿修羅王達は、どうするんだ?」
天を捨ててきた、と言っていた2人に、問いかける。
「私達は一度天を捨てた身。もう天界へは戻らん」
「“阿修羅王”と“夜叉王”がいなくなれば……」
「心配ない。“阿修羅”を継ぐべき者は遺して来た」
穏やかに阿修羅王は言う。
夜叉王も同じく、穏やかな顔で頷く。
「だから私達はもう“王”ではない。唯人として、これからのお前たちの行く末を見守ろう」
「阿修羅王…」
「お前たちが生まれ変わり……また天に還る時が来たら、新たな“阿修羅王”と“夜叉王”を頼むな」
「……分かった」
聖が頷くと、2人はくるりと背を向けた。
「ではな。またいつか、会おう」


