「蒼馬くんも一緒に事故に遭ったから心配なのね」
静も聖を支えてくれる。
「大丈夫よ。蒼馬くんも、一昨日意識を取り戻してね。今、ご両親が……」
静の台詞を全部聞き終わらないうちに、聖の足は前へ進んでいた。
静と沙都美は顔を見合わせると、仕方ない、とでも言うように肩をすくめ、聖の後を追った。
病室から廊下に出て、手摺りに掴まりながらズルズル歩き、隣の病室に入る。
4人部屋の左の窓際に、見知った中年女性の顔があった。
「あら、聖くん! 良かったわ、目が覚めて!」
明るく微笑むその女性は、蒼馬の母親だった。
「おばさん……」
聖はペコリと頭を下げると、蒼馬の姿を探したが……ベッドにも、この部屋の中にも、どこにも見当たらなかった。
そんな聖に気付いた蒼馬の母は、「ああ」と呟き、微笑んだ。
「蒼馬ならお友達と一緒に向こうの談話室にいるわ。病室にいると退屈で仕方ないみたい」
ドクン。
また、心臓が跳ね上がった。
(お友達……?)
まさか。
逸る心を抑えきれず、聖は歩き出した。
静と沙都美に案内された談話室は、学校の教室くらいの広さで、点在するソファに座り、患者たちが談笑していた。
目を走らせて友の姿を探す。
「セイ!」
見つける前に──声がした。
静も聖を支えてくれる。
「大丈夫よ。蒼馬くんも、一昨日意識を取り戻してね。今、ご両親が……」
静の台詞を全部聞き終わらないうちに、聖の足は前へ進んでいた。
静と沙都美は顔を見合わせると、仕方ない、とでも言うように肩をすくめ、聖の後を追った。
病室から廊下に出て、手摺りに掴まりながらズルズル歩き、隣の病室に入る。
4人部屋の左の窓際に、見知った中年女性の顔があった。
「あら、聖くん! 良かったわ、目が覚めて!」
明るく微笑むその女性は、蒼馬の母親だった。
「おばさん……」
聖はペコリと頭を下げると、蒼馬の姿を探したが……ベッドにも、この部屋の中にも、どこにも見当たらなかった。
そんな聖に気付いた蒼馬の母は、「ああ」と呟き、微笑んだ。
「蒼馬ならお友達と一緒に向こうの談話室にいるわ。病室にいると退屈で仕方ないみたい」
ドクン。
また、心臓が跳ね上がった。
(お友達……?)
まさか。
逸る心を抑えきれず、聖は歩き出した。
静と沙都美に案内された談話室は、学校の教室くらいの広さで、点在するソファに座り、患者たちが談笑していた。
目を走らせて友の姿を探す。
「セイ!」
見つける前に──声がした。


