「聖くん……」
李苑の声に、聖は振り返る。
「李苑……駄目、だからな……。また、無茶しようとしたんだろ……」
ガクッと膝をつくので、李苑もその体を支えながら座る。
「駄目だ……もう、誰も、いなくなるな……」
「聖くん……」
李苑の瞳に涙が溜まる。
そこに、いくつか触手が結界を突き破って降ってきた。
聖達に襲い掛かった触手を切り裂いたのは、真吏だった。
「急げ、十夜を、元に……」
そう言い、真吏も膝をつく。
「はい!」
李苑は涙を拭うと、十夜の元へ駆け寄ろうとした。
だが。
そこで結界が完全に破られた。
雨のように降り注ぐ触手を防ぐ事が出来たのは、恐らくジャクラだけだったろう。
それが解っていた。
だから、引き返した。
酷い傷を負いながら、幻惑を打ち破り疲労困憊の仲間を護ろうとして。
「聖くんっ!!」
聖目掛けて伸びてきた触手は、その前に立ちはだかった李苑の胸を貫いた。
李苑の声に、聖は振り返る。
「李苑……駄目、だからな……。また、無茶しようとしたんだろ……」
ガクッと膝をつくので、李苑もその体を支えながら座る。
「駄目だ……もう、誰も、いなくなるな……」
「聖くん……」
李苑の瞳に涙が溜まる。
そこに、いくつか触手が結界を突き破って降ってきた。
聖達に襲い掛かった触手を切り裂いたのは、真吏だった。
「急げ、十夜を、元に……」
そう言い、真吏も膝をつく。
「はい!」
李苑は涙を拭うと、十夜の元へ駆け寄ろうとした。
だが。
そこで結界が完全に破られた。
雨のように降り注ぐ触手を防ぐ事が出来たのは、恐らくジャクラだけだったろう。
それが解っていた。
だから、引き返した。
酷い傷を負いながら、幻惑を打ち破り疲労困憊の仲間を護ろうとして。
「聖くんっ!!」
聖目掛けて伸びてきた触手は、その前に立ちはだかった李苑の胸を貫いた。


