「阿修羅王、本当は、何をしに来た……?」

「……決闘をしにきた。本当に、それが理由だ。ただ、もう一つ……」
 
静かに真相を語り出した、その時だった。
 
 
バリバリバリ、と雷鳴のような轟音が鳴り響いた。

同時に結界が破られ、暗雲から無数の触手が光の速さで降り注いだ。

 
そして。
 
聖は見た。
 
それが、親友の胸を、一直線に貫いたのを。

 
時間が止まったかのように、その光景はゆっくりと視界に飛び込んできた。
 
一体何が起きたのか。
 
理解するまでに時間はかからなかった。


「蒼馬あああっ!!!」

 
絶叫は、降り注ぐ触手が街を破壊していく音に掻き消された──。






『……光が、ひとつ……消えた……』

 
フォーチュンは、静かに呟く。

 
それは、過酷な運命へのカウントダウン……。