『行くのですね……』
 
運命の輪の中で紡がれる白い糸が、鈍く光る。

『いいでしょう。貴方を待つ運命のもとへお行きなさい。そこで貴方は自分の運命と戦うことになります。幾度となく繰り返されてきた運命です。しかし……出来ることなら……』
 
そこで言葉を切る。本当ならば望んではいけないこと。

フォーチュンには決して許されないことを、彼女は考えていたのだ。

『私がそう望むのは罪なのでしょうか……ブラフマー』
 
罪なのだろうか。そうすることは、自分の使命に反することなのだろうか。
 
でもやはり望まずにはいられない。それが罪であるというなら、自分を罰せればいい。

そして、彼らに幸運を……。