「分かりました。みんな、蓮は真秀さんに任せましょう」
紅葉は立ち上がり、フラつく李苑に手を貸してやった。
「大丈夫? 無理させてごめんね」
「いえ、大丈夫です。蓮くんが無事で良かった……」
李苑も穏やかに笑う。
本当に、無事で良かった。全員がその想いで胸がいっぱいだ。
二階へ上がった6人は、女子と男子に別れて休む事にした。
「いい? しっかり休むのよ。5時間後、また外に出るから」
紅葉はそう言い、李苑、十夜とともに部屋に入っていく。
聖は蒼馬、真吏と一緒に、隣の部屋へ入る。
電気がないので暗いのだが、かろうじて何があるのかは分かる。
勉強机とベッドがあるだけの6畳程の部屋には、床に二組の布団も用意されていた。圭一郎の娘、真秀が用意してくれたのだろうか。
上を見ると、壁に掛けられていた黒っぽい野球帽子が目に入った。
聖は事故に遭って退院する時の圭一郎の言葉を思い出す。
『うちの馬鹿息子に……』
確か、そんなことを言っていた。
恐らく、この部屋がその息子の部屋なのだろう。
真秀も術者だとすると、その弟も恐らく術者で、この境内にゴロゴロいる術者達と同じく、邪空間から人々を護るための結界を張ったり、妖魔と戦ったりしているのかもしれない。
紅葉は立ち上がり、フラつく李苑に手を貸してやった。
「大丈夫? 無理させてごめんね」
「いえ、大丈夫です。蓮くんが無事で良かった……」
李苑も穏やかに笑う。
本当に、無事で良かった。全員がその想いで胸がいっぱいだ。
二階へ上がった6人は、女子と男子に別れて休む事にした。
「いい? しっかり休むのよ。5時間後、また外に出るから」
紅葉はそう言い、李苑、十夜とともに部屋に入っていく。
聖は蒼馬、真吏と一緒に、隣の部屋へ入る。
電気がないので暗いのだが、かろうじて何があるのかは分かる。
勉強机とベッドがあるだけの6畳程の部屋には、床に二組の布団も用意されていた。圭一郎の娘、真秀が用意してくれたのだろうか。
上を見ると、壁に掛けられていた黒っぽい野球帽子が目に入った。
聖は事故に遭って退院する時の圭一郎の言葉を思い出す。
『うちの馬鹿息子に……』
確か、そんなことを言っていた。
恐らく、この部屋がその息子の部屋なのだろう。
真秀も術者だとすると、その弟も恐らく術者で、この境内にゴロゴロいる術者達と同じく、邪空間から人々を護るための結界を張ったり、妖魔と戦ったりしているのかもしれない。


