真吏は独りの辛さを知っている。寂しくて、救いを求めても誰も気付いてくれない、そんな辛さも。
 
彼は同じ辛さを持つ十夜に同情したのだろうか。

 
十夜はそのまま立ち尽くしていた。
 
アスファルトに横たわる真吏を見下ろして。

 
初めて──。
 
初めて解ってくれる人に逢えた。なのに。



「う……ううっ……」
 
十夜は身体を震わせ、声を押し殺して泣いた。