「しかし吉祥天、お前が私のスピードについてこれると思うな!」
言うなり、ファリアは突っ込んできた。
気が付くとすでに目の前。
振り落とされる剣。
大気中から武器を引き出そうとするが──間に合わない!
「李苑!」
聖の叫びと同時に、キィン、と金属音が鳴った。
李苑の前に、誰かが立っている。
「おっと~、間に合ったようだな!」
李苑を振り返ってニヤリと笑ったのは、蒼馬だった。
「でやっ」
と、ファリアを押し返し、また振り返る。
「正義の味方、蒼馬くん、カッコ良く参上! な~んちゃって」
「……馬鹿蒼馬」
呆れながらも、親友の登場にホッとする聖。
「ありがとうございます、蒼馬くん」
李苑もホッとしたようだ。
「どういたしまして! っていうか、セイ達がファリアを引きずり出してくれたおかげで、ここに来れたんだけどね~」
などと説明をしている間に、いつの間にか蓮がファリアの相手をしていた。
「ヤベッ、蓮の援護してくるから!」
と、蒼馬は走り出す。
その後すぐ、聖の隣に紅葉がやってきた。真吏は蓮達の援護に向かったようだ。
「聖、大丈夫?」
紅葉が聖の背中を支えながら訊く。
「うん、大丈夫だ。少し休めば……」
「そう。ごめんなさい、あたしがちゃんと気付いていれば、ファリアの幻惑に惑わされる事もなかったのに……」
年長者として、『術者』として、皆を引っ張っていく立場にある紅葉は、皆を危険に晒した事を気にしているようだ。
「俺も、気付かなかったから……」
「私も気付きませんでした。紅葉さんのせいではありません」
李苑もそう言う。
紅葉は少しだけ笑って、立ち上がった。
「さあ、あの子を……どうにかしないとね」
少し離れたところで剣を交えるファリアと蓮達に目をやる。
言うなり、ファリアは突っ込んできた。
気が付くとすでに目の前。
振り落とされる剣。
大気中から武器を引き出そうとするが──間に合わない!
「李苑!」
聖の叫びと同時に、キィン、と金属音が鳴った。
李苑の前に、誰かが立っている。
「おっと~、間に合ったようだな!」
李苑を振り返ってニヤリと笑ったのは、蒼馬だった。
「でやっ」
と、ファリアを押し返し、また振り返る。
「正義の味方、蒼馬くん、カッコ良く参上! な~んちゃって」
「……馬鹿蒼馬」
呆れながらも、親友の登場にホッとする聖。
「ありがとうございます、蒼馬くん」
李苑もホッとしたようだ。
「どういたしまして! っていうか、セイ達がファリアを引きずり出してくれたおかげで、ここに来れたんだけどね~」
などと説明をしている間に、いつの間にか蓮がファリアの相手をしていた。
「ヤベッ、蓮の援護してくるから!」
と、蒼馬は走り出す。
その後すぐ、聖の隣に紅葉がやってきた。真吏は蓮達の援護に向かったようだ。
「聖、大丈夫?」
紅葉が聖の背中を支えながら訊く。
「うん、大丈夫だ。少し休めば……」
「そう。ごめんなさい、あたしがちゃんと気付いていれば、ファリアの幻惑に惑わされる事もなかったのに……」
年長者として、『術者』として、皆を引っ張っていく立場にある紅葉は、皆を危険に晒した事を気にしているようだ。
「俺も、気付かなかったから……」
「私も気付きませんでした。紅葉さんのせいではありません」
李苑もそう言う。
紅葉は少しだけ笑って、立ち上がった。
「さあ、あの子を……どうにかしないとね」
少し離れたところで剣を交えるファリアと蓮達に目をやる。


