結局また妖魔に囲まれる。
妖魔の持つ槍が、執拗に追いかけてくる。
まだファリアは見つからないのだろうか……とジリジリしてきた時。
李苑が目を開いた。
「聖くん、あそこです!」
李苑は聖の真後ろの上空を指差した。
それを聞いた聖は、右手だけ李苑から放し、剣を手にし、振り向き際に技を放った。
「爆炎、煌っ!!」
ドオオ、と音を立てて炎が走る。
何もない空中で、何かに撃ち当たったかのような爆発を起こした。
確かな手応え。
妖魔の姿が次々と消えていった。同時に、変な違和感も消える。恐らく結界が消えたのだ。
「やっ……た」
剣が手から煙のように消えると、聖の体がグラリと崩れた。
「聖くん!」
慌てて李苑が支える。
そのままゆっくり地面に膝をつき、ペタンと座り込む。
「大丈夫ですか!?」
心配そうに顔を覗き込む李苑に、微かに笑って応える。
「すみません、探すのに時間がかかってしまって……」
「……いや、大丈夫」
時間がかかってしまったのは仕方ないことだ。敵の結界内で、力も抑えられていたはずだから。
しかし、体の方は大丈夫ではなかった。
まったくと言っていい程力が入らない。このままファリアが退くとも思えないし、どうしたものか……。
妖魔の持つ槍が、執拗に追いかけてくる。
まだファリアは見つからないのだろうか……とジリジリしてきた時。
李苑が目を開いた。
「聖くん、あそこです!」
李苑は聖の真後ろの上空を指差した。
それを聞いた聖は、右手だけ李苑から放し、剣を手にし、振り向き際に技を放った。
「爆炎、煌っ!!」
ドオオ、と音を立てて炎が走る。
何もない空中で、何かに撃ち当たったかのような爆発を起こした。
確かな手応え。
妖魔の姿が次々と消えていった。同時に、変な違和感も消える。恐らく結界が消えたのだ。
「やっ……た」
剣が手から煙のように消えると、聖の体がグラリと崩れた。
「聖くん!」
慌てて李苑が支える。
そのままゆっくり地面に膝をつき、ペタンと座り込む。
「大丈夫ですか!?」
心配そうに顔を覗き込む李苑に、微かに笑って応える。
「すみません、探すのに時間がかかってしまって……」
「……いや、大丈夫」
時間がかかってしまったのは仕方ないことだ。敵の結界内で、力も抑えられていたはずだから。
しかし、体の方は大丈夫ではなかった。
まったくと言っていい程力が入らない。このままファリアが退くとも思えないし、どうしたものか……。


