この結界の創造者であるファリアを引きずり出せば、皆にも伝わるだろう。そうすれば、探さずとも集まってくる。そう考えた。
「やってみます」
李苑は頷いた。
が、妖魔が襲ってきて集中出来ない。
「ちょっとごめん」
聖はそう言うと、李苑を抱き上げ、彼女が声を上げる間もなく上空へ跳んだ。
「あいつらの攻撃は絶対防ぐから、李苑はファリアを探すのに集中して」
「は、はい」
李苑が返事を返している間にも、下から妖魔が次々と槍を投げてくる。
それをギッと睨みつけると、自分達に結界を張った。李苑のように広範囲には張れないが、これくらいなら両腕が塞がっていても出来る。
槍は結界に弾かれ、下に落下していく。
それを見届け、近くのビルに着地する。
しかし、そこもすぐに崩されてしまう。
「──」
ビルを崩しているのはファリアのようだ。李苑は少しだけ彼女の気配をキャッチする。
「もう、少し……」
聖にも聞こえないくらいの小さな声で呟く。
もう少しで……掴まえられそうなのだが。
ビルの上ではすぐに落とされてしまう。やはり道路に降りるしかない。
そこには妖魔の大群が待ち受けていた。
結界は張ってあるが、これまで色々と力を使ってきたのもあり、長くは持ちそうになかった。
このまま囲まれていると、結界を解いた時に襲われる。
聖は李苑を抱えたまま走る。
途中でジャンプして辺りを見回してみたが、妖魔のいない空間はなかった。地面すべてを覆い尽くしている。
(ファリア……何て力だ)
これだけの幻影を創れるなんて。
「やってみます」
李苑は頷いた。
が、妖魔が襲ってきて集中出来ない。
「ちょっとごめん」
聖はそう言うと、李苑を抱き上げ、彼女が声を上げる間もなく上空へ跳んだ。
「あいつらの攻撃は絶対防ぐから、李苑はファリアを探すのに集中して」
「は、はい」
李苑が返事を返している間にも、下から妖魔が次々と槍を投げてくる。
それをギッと睨みつけると、自分達に結界を張った。李苑のように広範囲には張れないが、これくらいなら両腕が塞がっていても出来る。
槍は結界に弾かれ、下に落下していく。
それを見届け、近くのビルに着地する。
しかし、そこもすぐに崩されてしまう。
「──」
ビルを崩しているのはファリアのようだ。李苑は少しだけ彼女の気配をキャッチする。
「もう、少し……」
聖にも聞こえないくらいの小さな声で呟く。
もう少しで……掴まえられそうなのだが。
ビルの上ではすぐに落とされてしまう。やはり道路に降りるしかない。
そこには妖魔の大群が待ち受けていた。
結界は張ってあるが、これまで色々と力を使ってきたのもあり、長くは持ちそうになかった。
このまま囲まれていると、結界を解いた時に襲われる。
聖は李苑を抱えたまま走る。
途中でジャンプして辺りを見回してみたが、妖魔のいない空間はなかった。地面すべてを覆い尽くしている。
(ファリア……何て力だ)
これだけの幻影を創れるなんて。


