深追いはしない方がいいと思い、その場を離れるが──何か釈然としない。
次に人々の悲鳴が上がった時。
聖はピン、ときた。
「李苑、結界はいい」
「えっ?」
聖の言葉に不思議に思う李苑を残し、猛スピードで妖魔の群れに突っ込んだ。
そして、目にも留まらぬスピードで妖魔を斬り付けた。
ゆらり、と妖魔の姿がゆらめく。
「幻惑……だ」
思った通りだった。
(そうか、この違和感は、そういうことか!)
圭一郎からの情報との食い違い。
妖魔に接触することを避けるかのようなビルの崩壊。
敵を目前に逃げてゆく妖魔達。
それは全て「幻」だということを気付かせないため。
そうしたのは何故か。
聖はジャンプして李苑のところに戻る。
「ここは多分、敵の結界の中だ。俺達をバラバラにするのが目的だと思う」
「人々を襲う妖魔の姿は……罠だったのですね」
「ああ。こんなことが出来るのは、多分……」
次に人々の悲鳴が上がった時。
聖はピン、ときた。
「李苑、結界はいい」
「えっ?」
聖の言葉に不思議に思う李苑を残し、猛スピードで妖魔の群れに突っ込んだ。
そして、目にも留まらぬスピードで妖魔を斬り付けた。
ゆらり、と妖魔の姿がゆらめく。
「幻惑……だ」
思った通りだった。
(そうか、この違和感は、そういうことか!)
圭一郎からの情報との食い違い。
妖魔に接触することを避けるかのようなビルの崩壊。
敵を目前に逃げてゆく妖魔達。
それは全て「幻」だということを気付かせないため。
そうしたのは何故か。
聖はジャンプして李苑のところに戻る。
「ここは多分、敵の結界の中だ。俺達をバラバラにするのが目的だと思う」
「人々を襲う妖魔の姿は……罠だったのですね」
「ああ。こんなことが出来るのは、多分……」


