「ちょっと待ってて」
そう言い、近くにあった電柱の上までジャンプする。
そこに立つと、先程までいた商店街が見えた。瓦礫に埋もれたそこに、妖魔の姿がない。
「聖くん!」
李苑が呼ぶので、一旦下に戻る。
「結界の中に妖魔はいないみたいです。……何だか、変、です」
「変?」
「はい。うまく言えないのですが……違和感が」
聖よりも李苑の方が感覚が鋭い。
その彼女が「何か変だ」と言うのだ。きっと「何か」あるのだ。
「分かった。気をつけよう」
「はい」
それから結界を解いてもらう。
崩れたはずのビルは、綺麗に元通りになっていた。
結界の中はいわば異空間。姿形は同じだが、結界の創造者の世界となっているため、現実ではビルは崩壊していない、ということになる。
高いビルの上に移動した2人は、そこから辺りを見回す。
確かに、何か変だ。
何か見落としているのだろうか……?
「聖くん、どうしますか? 東京タワーで皆さんを待っていた方が良いのでしょうか。何だか……嫌な感じです」
「うん。俺もそう思う。東京タワー、行こう」
何に違和感を感じているのかはっきりしない今、頼りになる仲間達との合流が一番の得策と考え、2人は東京タワーへと向かう。
跳んでゆく途中で、また人々を襲う妖魔と遭遇する。
先程のように李苑に結界を張ってもらい、妖魔を倒そうとするが、聖達が姿を見せるとまるで潮が引けるように散っていく。
そう言い、近くにあった電柱の上までジャンプする。
そこに立つと、先程までいた商店街が見えた。瓦礫に埋もれたそこに、妖魔の姿がない。
「聖くん!」
李苑が呼ぶので、一旦下に戻る。
「結界の中に妖魔はいないみたいです。……何だか、変、です」
「変?」
「はい。うまく言えないのですが……違和感が」
聖よりも李苑の方が感覚が鋭い。
その彼女が「何か変だ」と言うのだ。きっと「何か」あるのだ。
「分かった。気をつけよう」
「はい」
それから結界を解いてもらう。
崩れたはずのビルは、綺麗に元通りになっていた。
結界の中はいわば異空間。姿形は同じだが、結界の創造者の世界となっているため、現実ではビルは崩壊していない、ということになる。
高いビルの上に移動した2人は、そこから辺りを見回す。
確かに、何か変だ。
何か見落としているのだろうか……?
「聖くん、どうしますか? 東京タワーで皆さんを待っていた方が良いのでしょうか。何だか……嫌な感じです」
「うん。俺もそう思う。東京タワー、行こう」
何に違和感を感じているのかはっきりしない今、頼りになる仲間達との合流が一番の得策と考え、2人は東京タワーへと向かう。
跳んでゆく途中で、また人々を襲う妖魔と遭遇する。
先程のように李苑に結界を張ってもらい、妖魔を倒そうとするが、聖達が姿を見せるとまるで潮が引けるように散っていく。


