聖達が頷いたのを見て、紅葉は真吏に目配せすると、高速道路から飛び降りた。
蓮も、「蒼馬ー!」と叫びながら、彼の後を追う。
「行こう」
聖も李苑に視線を送る。
「はい」
李苑の返事を聞いてすぐ、高速道路から、近くのビルへと飛んだ。
人々の悲鳴の元へ駆けつけようと、自分の出せる最大のスピードで跳んでいると、空中での空気抵抗が凄い。
目を開けているのが辛いくらいで、Tシャツの上に羽織っている上着が風に煽られて飛ばされそうだ。
電柱から低い建物の屋根へ、そこから更に力強く跳んで高いビルを跳び越える。そうしていると「ああ、本当に普通の人間じゃなくなったんだな」と、今更ながら実感する。
そんなことを思いながら、後ろを振り返る。
ちゃんと李苑が付いてきているのを確認すると、また跳んだ。
5階建てくらいのビルを次々と飛び越していくと、ドオン、と大きな音がした。人々の悲鳴が近い。
もう一跳びすると、古い商店街の中を逃げ惑う人々が見えた。聖と李苑はそこに着地する。
後ろから追いかけてくる妖魔の大群。
(どうすればいい?)
少しだけ聖は考える。
そして、李苑を振り返った。
「李苑、出来るだけ大きな結界張れるか? え~と……妖魔だけ取り込んで」
難しい注文をしたかな、と思ったが、李苑はすぐに頷いた。
蓮も、「蒼馬ー!」と叫びながら、彼の後を追う。
「行こう」
聖も李苑に視線を送る。
「はい」
李苑の返事を聞いてすぐ、高速道路から、近くのビルへと飛んだ。
人々の悲鳴の元へ駆けつけようと、自分の出せる最大のスピードで跳んでいると、空中での空気抵抗が凄い。
目を開けているのが辛いくらいで、Tシャツの上に羽織っている上着が風に煽られて飛ばされそうだ。
電柱から低い建物の屋根へ、そこから更に力強く跳んで高いビルを跳び越える。そうしていると「ああ、本当に普通の人間じゃなくなったんだな」と、今更ながら実感する。
そんなことを思いながら、後ろを振り返る。
ちゃんと李苑が付いてきているのを確認すると、また跳んだ。
5階建てくらいのビルを次々と飛び越していくと、ドオン、と大きな音がした。人々の悲鳴が近い。
もう一跳びすると、古い商店街の中を逃げ惑う人々が見えた。聖と李苑はそこに着地する。
後ろから追いかけてくる妖魔の大群。
(どうすればいい?)
少しだけ聖は考える。
そして、李苑を振り返った。
「李苑、出来るだけ大きな結界張れるか? え~と……妖魔だけ取り込んで」
難しい注文をしたかな、と思ったが、李苑はすぐに頷いた。


