「あ~、今日も疲れた~」
疲れきった表情でリビングのソファに転がる蒼馬。その横で聖が数学の参考書を開いていた。
「……良く勉強する気になれんな」
感心して言う。
「ああ、成績落とせないから……。蒼馬もヤバいんじゃないのか? 家には『受験勉強の合宿』って言ってあるんだろ?」
推薦を狙っている聖は、同じく推薦狙いの蒼馬に言った。
「おおよ。『柊塾』の名前出したら即OK。ウチの親って単純~」
と、笑った後、ハア、と盛大に溜息をつく。
「でも俺、今のでいっぱいいっぱい。マジ挫けそう……」
朝から晩まで特訓の日々が続いているのだ。普通だったら勉強まで手が回らないところだ。
「聖は偉いわねえ」
紅葉が感心する。
「ああ、感心するな」
真吏にもそう言われる。そう言う彼も、ノートパソコンを開いて株の勉強をしているようだ。
「そ、そうかな」
誉められて少し照れる。
いつも真顔なのに、たまに崩れる表情がかわいい。紅葉はうふふ、と笑って聖の頭をグリグリ撫でた。
「素直な弟ってかわいいわねえ~」
「かわ……!?」
そう言われると馬鹿にされたようで気分が悪い。聖は無言で立ち上がると、リビングからダイニングへと移動した。
疲れきった表情でリビングのソファに転がる蒼馬。その横で聖が数学の参考書を開いていた。
「……良く勉強する気になれんな」
感心して言う。
「ああ、成績落とせないから……。蒼馬もヤバいんじゃないのか? 家には『受験勉強の合宿』って言ってあるんだろ?」
推薦を狙っている聖は、同じく推薦狙いの蒼馬に言った。
「おおよ。『柊塾』の名前出したら即OK。ウチの親って単純~」
と、笑った後、ハア、と盛大に溜息をつく。
「でも俺、今のでいっぱいいっぱい。マジ挫けそう……」
朝から晩まで特訓の日々が続いているのだ。普通だったら勉強まで手が回らないところだ。
「聖は偉いわねえ」
紅葉が感心する。
「ああ、感心するな」
真吏にもそう言われる。そう言う彼も、ノートパソコンを開いて株の勉強をしているようだ。
「そ、そうかな」
誉められて少し照れる。
いつも真顔なのに、たまに崩れる表情がかわいい。紅葉はうふふ、と笑って聖の頭をグリグリ撫でた。
「素直な弟ってかわいいわねえ~」
「かわ……!?」
そう言われると馬鹿にされたようで気分が悪い。聖は無言で立ち上がると、リビングからダイニングへと移動した。


