雨が降っていた。



激しい雨のせいで、制服がびちょびちょ。





「聞いたぁ?陽菜ちゃん。小早川、生徒に手を出したらしいよ」





クラスメートの言葉。



頭の中が真っ白になった。




どうして?




何?


それ。




ちゃんと隠してるのに。



ちゃんと、節度を守った付き合いをしている小早川と亜沙子。




デートも我慢して、学校でもあまり話していないんだよ。




どうして……



もしかして……







その時、ユッキーの顔が浮かんだ。



まさか、そこまで悪い子じゃないよね??




ユッキーに、全部は話していない。



でも、小早川と亜沙子が両思いであることは気付いていたんだよね。







涙目で私のクラスに飛び込んで来た亜沙子。




私は亜沙子の手を引っ張って、中庭まで走った。