「ちゃんと話すことで、ユッキーとまた友達に戻れるかもしれないよ。陽菜の最終目的はそれでしょ?」
亜沙子は勝ち誇ったような表情で私を見つめた。
「バレてる?」
「わかってるよ。陽菜のことならなんでも」
私はユッキーとまた友達に戻りたいと願っていた。
だからこそ、この問題をどう解決していいのかわからなかった。
「ライバル相手にそんな風に思えるって陽菜は天使だな」
亜沙子は、図書室の窓から外を見ていた。
その方向には、中庭を挟んで、国語準備室がある。
「天使?まさか」
「優しいよ、陽菜は」
「亜沙子が優しいんだよ」
「陽菜が優しいの~」
とラブラブな会話を繰り返す私達。
天使になろうだなんて思っていない。
ただ、責任を感じていた。
ユッキーを救いたいという気持ちが強かった。
ユッキーとまた友達に戻れるなら、それはすごく嬉しい。
だってさ。
3人で遊んでいたあの日々、本当に楽しかったんだもん。
あれが、全部嘘だなんて思えない。
気が合う仲間になれると信じてる。