「全部、話して。ユッキー。誰にも言わないから」
「あんたなんて信じない」
そう言ったユッキーだけど、少しずつ話し始めた。
1時間くらい話した。
ようやく理解できた。
全部、スッキリした。
ユッキーは、中学時代からいじめを受けていた。
同じ中学の友達がいない高校を選び、新しい人生をスタートさせたはずだった。
でも、そこにいじめていた子の仲の良い先輩がいた。
かわいく変身したユッキーなのに、影でいじめを受けていた。
その先輩が、私を恨んでいて。
それで・・・・・・私をボロボロにしろと命令したんだよね。
だから、ユッキーはまず王子に近付いた。
そして、亜沙子に近付いた。
で、山田に近付いた。
ユッキーの意思じゃなかった。
自分を守る為にした行動だった。
それが嬉しくて、私はユッキーをぎゅっと抱きしめた。
ユッキーは、帰る時に
“陽菜ちゃん”と呼んでくれた。
あんた、じゃなく。

