ユッキーは教室の扉の前でしゃがみこんで、大声で泣き出した。
赤ちゃんのように。
うわーんうわーんと声をあげて泣いた。
泣きたいのは私なのに。
そう思ったけど、あまりにも激しく泣いているユッキーを放っておけなくて、肩を抱いた。
「ユッキー、どうしたの?何があったの?ちゃんと全部話してよ」
「あんたが全部……あんたが悪いんだよ……」
「どういうこと?」
「あんたが、泥棒猫みたいなことするからぁ……だから……」
またユッキーは泣き出した。
泥棒猫?
意味がわからない。
王子は私の彼氏であって、ユッキーには関係ない。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、混乱していた。

