リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・13

そして桜の精かとも思って、口付けたのか…。

「うん、でもキミなら良いな。ねぇ、俺の嫁さんになってよ」

…何つうアッサリしたプロポーズ。

ロマンの欠片もありはしない。

いや、あの桜の木の下で出会った時が、一番甘い空気が流れていたな。

まあ…その後のキスも甘かった。

「ねぇねぇ」

…人が考えている間に、今度は体にしがみついて揺さぶってくる。

コイツ、見た目に反してガキだ。

しかもタチの悪いガキ。

でも、だけど、私に一目惚れしたらしい…し?

堅っ苦しい旧家の生活から抜け出して、こういう男と夫婦となるのも楽しいかもしれない。

「…お前さん、私を大事にしてくれるか?」

「もちろん。何があったって、俺はキミのことを守るよ」

そう言って優しく微笑む。

「ならしょうがない。結婚してやろう」

「ホント? やった♪」

嬉しそうに笑うと、まぁた私にしがみついてくる。

…やれやれ。

退屈な結婚生活を想像していたのだが、破天荒な結婚生活を送りそうだ。