リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・13

突然のことに驚いている間に、青年はどんどん近付いて来て、とうとう私の目の前に立つ。

そして両腕を伸ばし、私に抱き着いてきた!

「えっ…えええっ!」

あまりに突然の行動に、呆然とし、抵抗することも忘れてしまう。

そして固まっているうちに、青年は顔を上げて…私の唇にそっと口付けた。

「…えっ?」

「ああ…この感触は確かに人間だ」

そう言って、ゆっくりと私から離れた。

そして振り返り、また歩き出した青年の背に、

「ふざけるではないわあ!」

 どかっ!

と飛び蹴りを食らわした。

「ぐおっ!?」

青年は顔から地面に倒れ込む。

その背中を今度は踏みつけた。

「いたたたっ!」

「何をしたか、分かっておるのか! 貴様!」

いっいきなり口付けされるなんて思わなかった!

しかも…甘く感じてしまうなんて…!

恥ずかしくて、照れ臭くて、また情けなくて。

頭の中が熱くなる!