リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・13

「俺は24になったばかりの男」

にしては、だらしない男だ。

「でもまあ考えてみたら、現実感ありすぎるし、ないか」

「まあ…何だ。そろそろ現実に戻って、自分が行くべき場所を思い出すと良い」

と、言うしかないな。

「…ああ、そっか。行く所、あったんだ、俺」

しかし思い当たることがあったらしい。

不意に顔付きが変わったことに、思わず胸が高鳴る。

うん、真面目な表情は悪くない。

青年が立ち上がると、身長の高さにビックリした。

私より頭二つ分、身長が高い。

私は女にしては身長がある方だから、青年は男性にしても高い方だろう。

青年は服を叩いて、歩き出す。

―けれどふと振り返り、私を見つめる。

「ん? どうかしたか?」

真剣な眼差しを向けられると、不覚にも顔が熱くなってしまう。

「―一応、確かめておこうと思って」

そう言ってきびすを返し、今度はこちらに歩いて来た。

「へっ?」