明らかに男の声だった。

俺は嫌な予感を感じ、後ろを振り向いた。


叶愛は真っ青な顔をして、男に腕をつかまれている。


なんだコイツ・・・
俺は怒りを隠し、


「手離せよ・・・」


と無理やり叶愛を抱き寄せた。


叶愛の腕を掴んでいた男は「は?」という顔をしながらも叶愛の手を離した。


叶愛が少し震えている。
コイツ・・・誰なんだよ・・・・


怒りを抑えるために拳を強く握っていた。


「てめぇ・・・誰だよ・・・」