あの後も何度か海を見に行ったが、翼に会えることはなかった。

なぜこんなにも気になるのだろう。

ただ一度会っただけなのに。

強烈な印象だけを残して、消えてしまった少女が…
今…
目の前で話している。

「嘘…だろ?」

「海ちゃん、さっきから何をブツブツ言ってんだよ?」

「な…何でもねぇって!!」

「なぁに焦ってるんだか…」

「うるせっ」