「まずお前、名前は?」

「萌絵」

「モエ?変わった名前だな。
何か燃えてるのか?」

「そのモエじゃないって」

「まあいい。
どこから来た?」

「……未来。」

「ミライ?
そんな国あったか??」

「そのミライっての、
どこにあんだよ?」

「…少なくとも、
そんな簡単に
行けるような
場所じゃない。
あたしが帰るのも…
もしかしたら無理かも」

「なに!?
それは大変だ!
お前にも夫や子供が
もういるだろう!!」

「はあ!?
あたし彼氏すら
いないんですけど!」

「なに!?
モエ何歳なんだ!?」

「16だけど」

「16で独り身か!
いき遅れたんだな…」

「ちょっと待ってよ!
あんた達の価値観と
一緒にすんな!!」

「あらあらモエちゃん。
殿様にあんただなんて…」