今の萌絵が安全に 林を抜けるには この男に着いて行くしか 方法がなかった。 ほっぺたを つねってみる。 「いたたたっ!」 …確かに現実だ。 ならば今さっき 目の前で起こったことは やはり夢なんかではなく、 自分が過去に タイムスリップ してきたのだという仮説も、 認めなければ ならないのかもしれない。 それなら未来に帰る 方法を見つけるまで 誰かの世話にならなければ こんな時代では 生きていける気がしない。 そう考えていると 気づけば林を抜けていた。