イケメン殿様と平凡少女








日焼けを知らぬかのような
白く透き通った肌。

強い意志を宿した
切れ長の目に、

通った鼻筋。

髪もちょんまげなどではなく
まるで、
おそらくこの時代には
存在しないであろう
ワックスでセット
したかのように
遊ばせてあった。

…右側についている
寝癖が目立っていたが。





「どうした?
大丈夫じゃないのか?」

「あっ、えっと、大丈夫!」

「そうか。
良かった。」





優しく笑う男。



今初めて出会った自分を
本気で心配してくれたのかと
半ば驚きながらも
心が温かくなるのを、
萌絵は感じていた。



さっきの武士と同じように
武器も持っているのに、
人を安心させるような
笑顔だった。









「ところでお前は
どこの者だ?
おかしな格好を
しているが」

「えっと…
これは制服って
いうんだけど…」

「セーフク?
なんだ??」








わあぁぁぁ…









「おっと、ここじゃ
危ないかもしれんな。
まず移動するか」

「あっ、ちょっと…
待ってよ!」