イケメン殿様と平凡少女






「ああ!?
なんだてめぇ
敵国の武士には
食料をやれねえ
ってのか!?
まさか手ぶらで
こんな林に
入ってきたわけじゃ
ねえだろうが!!」





恐怖から全く
声が出ない萌絵は
ひたすら首を振る。



しかし武士に萌絵の意志が
伝わることはなかった。








「チッ…
敵国の者に頼った
オレがバカだった。
ここで片付けといてやる!!」










萌絵は反射的に
目を瞑った。





あたしもう
死んじゃうの?

しかもこんな
訳もわからない場所で?







そんなことを
思っていると…









「いてっ!
おいっ離せっ!!」

「え…?」







そこには武士の手首を掴み
ひねりあげている男が
たっていた。